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「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ-びわ湖・長浜のホトケたち-」

 東京藝術大学大学美術館で開催中の「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ-びわ湖・長浜のホトケたち-」特別内覧会に参加しました。


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明るい会場に彫刻・絵画・書籍など合わせて約50点が並ぶ。展示品には国指定重要文化財16点が含まれ、15体の仏像が堂外初公開。すべてを驚くほど間近で、つぶさに鑑賞できる。説明書きに各尊が安置されているお堂の写真が添えられているのが嬉しい。


 滋賀県は国宝・重要文化財指定件数が東京都・京都府・奈良県に次ぐ全国4位で818件を数えます。その中には仏像が多く含まれており、そのレベルは歴史的芸術的観点において京都や奈良の大に所蔵される仏像と比較しても何ら遜色がありません。
 大津市に次いで指定文化財の多い長浜市は仏教文化財の宝庫であり、集落の数に匹敵すると言われるほど沢山の観音像を有します。とりわけ重要な点は、京都や奈良の著名な仏像が古刹・名刹といわれる大の煌びやかな内陣に奉られているのとは異なり、長浜の多くの仏像が各集落のささやかなお堂に奉られてきたことです。
 長浜が「観音の里」と呼び習わされる所以は、地域の守り仏に観音さまが多いということばかりでなく、地域住民の皆さんが主体となって観音さまを守り伝えてきたことにこそあるのです。


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阿弥陀阿弥陀如来立像は平安時代(12世紀)作の長浜市指定文化財。プロポーションが良く衣文表現は洗練されており、中央の優れた仏師の作と考えられる。







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正妙の千手千足観音立像は眦を決して歯をむき出し、額には第三の眼を刻む忿怒相。上半身は裸で両膝頭を露わにして直立。







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左右各19本の脇足を扇状に半肉彫りで表すという類例のない像容。御出座しとは知らず、会場で出逢って感動。江戸時代(17-18世紀)作。







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知善院の重要文化財・十一面観音坐像は品の良いお顔立ちと無理のない体躯表現が美しく、鎌倉時代(13世紀)の写実性を追及した慶派仏師の作と考えられる。







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光信重要文化財・大日如来坐像は平安時代(11世紀)作。以前は秘仏だったが、現在は1月の中山神社の新年祭とオコナイ、大日堂のオコナイ、9月の放生会の際に開帳される。*オコナイとは村内の安全と豊作を祈願する神事


 長浜城歴史博物館の太田浩司館長によるお話の中で、東京で仏さまを展示するにあたり、その許可を得る際の苦労が語られていました。
 住職のあるおの場合はその住職の許可さえあれば借りることができる、しかし集落の住民が管理の主体である多くの長浜の仏さまの場合、借りるためには全員の同意を得なければならない、と。
 断られることもあったそうですが、展覧会への出陳に同意された世話方の皆さんの胸の内を忖度すれば、美術的学術的にも貴重な仏さまを自らの手でお世話してきた誇らしい気持ちに加えて、本展を通じて「観音の里」の仏さまを広く世間の人々に知ってもらうことで、今後も諸尊を守り継いでいく一助になればという願いも込められているのでしょう。

 前回開催された同名の展覧会から2年を経て、出陳される尊像の数を倍以上に集め、空前絶後の規模で開催される本展は、長浜の仏さまを一挙に拝するまたとない機会です。是非足を運んで ”観”て下さい。*掲載写真は特別な許可を得て撮影したものです


「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ-びわ湖・長浜のホトケたち-」
会期:2016年7月5日(火)- 8月7日(日)
   午前10時 - 午後5時(金曜日は午後8時まで)
   入館は閉館の30分前まで 
会場:東京藝術大学大学美術館 本館 展示室3・4
休館日:月曜日(ただし、7月18日は開館)、7月19日
* 会期中の土曜日 午前と午後に行われるギャラリートークも必聴。
* 本館 展示室2において「平櫛田中コレクション展」を同時開催。新旧木彫の名品を楽しめるとびきりの趣向。




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