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続「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ-びわ湖・長浜のホトケたち-」

 東京藝術大学大学美術館で開催中の「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ-びわ湖・長浜のホトケたち-」特別内覧会に参加しました。

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源昌聖観音坐像は長浜市指定文化財で平安時代-鎌倉時代(12世紀)作。
本像を安置する上丹生薬師堂(滋賀県指定有形文化財)は奇祭として有名な「上丹生の曳山茶碗祭」の舞台として知られる。





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源昌薬師如来坐像は滋賀県指定有形文化財で平安時代(12世紀)作。
同じく上丹生薬師堂に安置される本像は、秘仏本尊薬師如来立像(重要文化財)の御前立ちである。






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来現重要文化財・聖観音立像は平安時代(9世紀)作。かつて集落に存在した満願に安置されていたが、火災で院が焼失し、本像は村人が池に沈めて難を逃れたそう。本像に具わる光背は聖観音像には珍しい火焔光背で、火事予防の願いを込めて制作されたという。






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平安期の仏像の衣文表現に見られる渦文が特徴的。






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大吉聖観音立像は長浜市指定文化財で平安時代-鎌倉時代(12世紀)作。
秘仏本尊の御前立ちとされる。

---長浜と文学

 「観音の里」長浜は、井上靖著『星と祭』や水上勉著『湖の琴』の舞台としても知られます。
 湖北を旅した随筆家・白洲正子は著書『かくれ里』の中で、西浅井町菅浦にある阿弥陀聖観音坐像について、「陶器にたとえれば李朝の白磁のような、そんな雰囲気が好きで私はしばしば訪れる。」と語り、かの地に寄せる愛情を隠すことがありません。
 仏像鑑賞は知識人の高尚な趣味という往年のイメージを覆し、ポップでラフな”見仏”というスタイルで仏像鑑賞に新地平を拓いたサブカル界の重鎮・みうらじゅん氏は、仏像をグッと若者に引き寄せて近年の仏像ブームを下支えしてきました。いとうせいこう氏との共著『見仏記』シリーズの中で長浜の仏さまを訪ね、素敵なイラストを残しています。


---長浜と戦国時代

 戦国時代を語るうえで長浜は欠かすことのできない重要な地です。
 天正元年(1573)、当時は今浜と呼ばれていた地を長浜と改称し、最初の居城として長浜城を築いた羽柴秀吉。後に天下人にまで登り詰めた秀吉が、城下町経営の基礎を醸成したのが長浜の地であるといわれています。
 秀吉の側近・石田三成は長浜出身で、JR長浜駅の近くには「秀吉・三成出逢いの像」が建てられています。関が原の戦いで敗者となり追われる立場となってしまった三成ですが、地元が誇るヒーローであることは間違いありません。
 名軍師・黒田官兵衛を輩出した黒田家は、彼の曽祖父の代まで現在の長浜市木之本町黒田に居住していました。長浜は黒田家発祥の地でもあります。
 千利休、古田織部に続く茶人・小堀遠州も長浜出身です。庭園や茶道における彼の功績は大きいものです。
 浅井長政の居城であった小谷城址や浅井・朝倉軍と織田・徳川軍が戦った姉川古戦場、羽柴秀吉と柴田勝家が対峙した賤ヶ岳古戦場など市内にのこる名所・旧跡は、戦国の動乱に思いを馳せるよすがとなっています。
 度重なる戦禍に見舞われ戦国時代以前の建築物は残されていないといわれる長浜の地にあって、奈良・平安期の古仏が現代に伝わっているのは、村人の手によって燃えさかるお堂から助け出され、川底に沈められたり地中に埋められたりして難を逃れ、今日まで守られてきたからです。


 前回開催された同名の展覧会から2年を経て、出陳される尊像の数を倍以上に集め、空前絶後の規模で開催される本展は、長浜の仏さまを一挙に拝するまたとない機会です。是非足を運んで ”観”て下さい。
*掲載写真は特別な許可を得て撮影したものです

「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ-びわ湖・長浜のホトケたち-」
会期:2016年7月5日(火)- 8月7日(日)
   午前10時 - 午後5時(金曜日は午後8時まで)
   入館は閉館の30分前まで
会場:東京藝術大学大学美術館 本館 展示室3・4
休館日:月曜日(ただし、7月18日は開館)、7月19日
観覧料:一般1,200円/高校・大学生700円(中学生以下は無料)
* 会期中の土曜日 午前と午後に行われるギャラリートークも必聴。
* 本館 展示室2において「平櫛田中コレクション展」を同時開催。新旧木彫の名品を楽しめるとびきりの趣向。

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